『バブルへGO!!』はひどくないか

※ネタバレ丸出しです、ご注意

 普通に楽しむつもりで見たのに、エンディングを迎えたあたりでちょっとイラッときた。といっても娯楽映画としての全体的なバカっぽさはむしろ好きだし、タイムトラベルに関する設定の緩さとかそういうのも別にいい。失われた10年から現在にかけて顕在化してきた諸問題が全てひとつの金融政策とそれを画策した黒幕のせいであるかのように描かれている点だけがどうも納得できない。何でもかんでも、誰かのせいにしたり時代のせいにしてはいけないのではないか。90年時点の阿部寛(下川路)はちょっとだけ自分のいいかげんな生活にけじめをつけようと思ったようだで、その結果現在(2007年)において総理大臣となるのだが、なっちゃだめだろ。(広末の借金は男の借金だから消えてもまあいいとしても)
 『バブルへGO!!』を観て一番感じるのはこの映画の制作者、ホイチョイプロダクション−フジテレビ−電通のあの時代への反省のなさである。(あと、広末の異常な可愛さだ)自分自身や自分のそれまでの歩みを肯定する事は確かに必要な事だ。しかし否定や反省を経た肯定でなければ僕は信用できないと思う。ひょっとしたら考えた事もあったのかもしれないが、だったらそれを画面に映せばいい。写せないということは結局はちゃんと向かい合えていなのだ。全部だれかのせいにして、主人公を総理大臣にして喜んでいる根性が気に入らない。

 しかしまあバブルって何だったんですかね。自分は90年で小学1年だったと思いますが、小2くらいの時にテレビや大人のまねでやたら「ふけーき」って言ってたのを覚えてます。91年には完全に景気悪かったんですね。とんねるずの人気が凄かったのってこの辺だったような気もするんですけど、とんねるずが番組内でよくやる番組スタッフのマネ・スタッフいじりとか、とんねるず・フジテレビ的な悪乗りってバブルのイメージと凄い重なる。