BSアニメ夜話 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

録画してあったのを今日見ました。もうちょと突っ込んだ話が聞きたかったけどまあこんなもんか。板野一郎が想像通りの風体だったのでちょっと笑った。深見梨加も良かったですね。氷川竜介は席について普通に参加した方が絶対良かったと思う。
<面白かった部分>

  • 作品について

岡田:河森さんてSF的アイディア凄いじゃない。空母から飛行機が出てくるパターンにしても何にしても。本当だったら設定の人が考える事をどんどん先々に考えるし、あとSF的な画の見せ方とかってもの凄いし。だから劇場版のマクロスって超一流のSFセンスと超中学生の男子のセンスが合体して、何か摩訶不思議な空間になってるんだけども。そういうのは作画してて分かんないですか。

北久保:マクロスが当時あるエポックにリーチがかっかたような状態だったと思うんすよ。つまりヤマトとかガンダムとかっていうタイトルにマクロスが並びかけたっていう・・。これは何かすごい事で、何がこの力の源かっていうのをいろいろと考えてみるに、一つには河森正治さんの全然実体験を伴わない幻想の女性像・・

岡田:いわゆるあの〜、童貞臭の強い、世界観

北久保:はい、要するにリアル体験ゼロだからどこまでトラップしちゃうっていう。

岡田:凄い事言うなぁ・・

古厩:〜前半省略〜 マクロス、確かに童貞妄想全開なんですけど唯一納得なのは結局輝は戦争で大人にならないんですよ。全然成長しないで結局三角関係というか、振り向けば君がいたっていう昔からハリウッド映画とか何でもあるごく小さな物語なんですけど、結局人間関係っていう物語しかもうないんだよっていう結論があったからこれはただの妄想だけじゃなく着地はできてるんだと思うんですよ。

岡田:板野さんがいわゆるミサイルを見せる面白さを出すまで、割とアニメ界ではレーザー光線が主流でしたよね。あれはあれで未来的だけど味気ない。板野さんが凄いのはね、マクロスの中でもビーム出してるんだけども、ビーム見せずにビームが雲の中を貫通する時に一瞬にして空気がイオン化されて膨張されて雲が押しのけられてトンネル状の穴が開くっていうシーンを見せるんだよ。そんなの見せてビームを表現するって誰も思いつかない。

北久保:多分アニメーションの板野サーカスっていう根本はどこにあるかって言うと、あの〜、多分板野さんが初めてカメラで被写体を追いきれないってものを最初にやったんじゃないかなって思うんですよ。だから作画を作業してる人間はこれどうなるの?って全然分かんないんですよ、原画を見ても。映像で動いて初めて「何か凄いことがー!」っていう。通常我々は見えるものをあの〜動かしてるわけですよね。だからそこに当然カメラのファインダーが来てるわけ。で、そっから飛び出しちゃってってオッケー、写んなくてオッケー。写るのはほんの一瞬でそれでも大丈夫。だってバンバン動いて楽しいもん!っていう。それを初めてやっちゃったていう所が、多分サーカスっていう、あの〜、由来なんじゃないかな。

深見:女子はあまりね、こうメカの事とかあんまり詳しくないんですが、運動神経が見る方に必要だっていうのはそれでかって思いましたね。私全然付いてけなくて(笑)。その、もう凄いんですよね、やっぱり。早すぎてわかんな〜い。全然私の動体視力では追っつかなくて。でも凄いっていうのだけは凄く伝わってきて。一度是非ここで板野さんと一緒に見て説明してもらいたいなって。

岡田:マクロスプラスはスローモーションで本人の解説付きで見ないと分かんないですね。

北久保:逆です。あの〜、スローにしちゃうと分かんないんですよ。あの速度でフレームが移り変わってくからあれが凄く見えるんですね。一枚一枚を見てくと脈絡が全然わかんないんですよ。

古厩:見てると麻薬的な感じがするんですよね。本当幻惑されてくる。〜以下省略〜

あとは前半の「あれなら俺でもできる」、「北久保は手が遅くて使い物にならない」というミサイル作画に関する板野と北久保のやり取りが面白かった。
エストロは宮武氏のプロダクションデザインについて。各人のまとめコメントは板野氏が「マクロスに参加したスタッフが今のアニメを支えてる。アニメーター動かしたいしもっといい絵が描きたいけど、今はそういう環境がなかなか無い、残念。」北久保氏は「初めてだらけ実験だらけでちゃんと落着した。」、古厩氏は「アニメの思春期の作品で老年期の映画界にいる自分からすると羨ましい。」、深見さんは「河森も庵野にしろ今でも暴れん坊のスタッフがもっと暴れん坊のまま作った作品がそのまま見る人に伝わった。」という感じ。(ニュアンスですので・・一応)
岡田の最後の「男子校の文化祭の凄いやつだと思えば、こんなに素敵な作品は無い」っていうのは結構良かったなぁ。