ジブリがいっぱいSPECIAL ショートショート 

というか「On Your Mark」の感想。
長編作品のダイジェストのような感じで、美少女・エスコートヒーロー・空・メカなどの要素を抽出してそのまま映像にしたような作品。余分な説明が無い分、宮崎駿のそれらに対するアプローチの仕方やセンスが分かりやすいのかも。もうこういうオタク受け直球なのは作らないんだろうなぁ。
天使の少女を必死の思いで救出し人間の手から解放してあげようとする男の話だと読み取れるのだけれど、彼らが彼女に何も求めることなく、ただ空に帰すことにカッコよさを感じるというのがまさに「美少女的」構図であるいうのはササキバラ・ゴウが指摘するところでもあったり。

ササキバラ・ゴウ「美少女の現代史」(講談社現代新書)より

この作品で宮崎は「本当に大切にすべきなにか」という抽象的なテーマを具体的なイメージに描こうとしているのですが、そのときにそれをあっさりと「美少女」に描いて表現しています。

まあこんな面倒な事考えなくても見てるだけで楽しいんですけどね。映像に身をゆだねる事が気持ち良いと思える作品。ほんと、アニメファンで良かったな。都市のデザインとか導入部とラストのちょっと牧歌的な雰囲気とかもツボ。
ただ、曲自体は微妙(笑)。銃の音が軽くてウケる。また、途中で同じシークエンスを繰り返す箇所が何度かあるのですがその意味は正直よく分からない。